2014/04/28

クルチのスーサー

先週の金曜日、仕事を終えて職場のあるビルを出ると、隣のビルの角に植えられた高さ4mくらいのクルチ(黒檀の木)に、スーサー(ヒヨドリ)が2羽、けたたましい鳴き声をあげて着陸した。よくよく見ると、そのうちの1羽が高さ2mのほどの枝のところで何かに餌を与えているような仕草をしている。もう1羽はもっと高い枝にとまり周囲を警戒している。
葉っぱに隠れて見えないその何かはきっと雛鳥に違いないが、そこは高さも人間の手が届きそうなほどだし、巣を作るにはオープンすぎて不自然なので、どうもその1段上の枝にあるはずの巣から落ちたらしい。落ちた雛鳥の周りは危険満載だが、親鳥たち自身も危険に身を晒しているので餌やりはそれこそ必死のはずだ。雛鳥がそこからさらに落ちると次は地面なので、そのとき親たちは自分自身と他の雛鳥の安全と引き換えに養育を放棄するだろう。
助けることもできなさそうなので、君たちも大変だね、と思って通り過ぎたが、気になるのでここに書き留めておく。

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画像は、TD510ZMK2に被せられたハット。
3号(♀4才)のしわざ。
ビジュアル的にその発想はなかった。しかも、ホコリよけになっている。

2014/04/27

DBK製アイロンの修理

土曜の朝、お出かけ準備中の私の素敵な奥様から「アイロンがこわれたー」と悲鳴があっがたので、どれどれ、どうせ電気コードの断線だから朝飯前に片付けてしまえ、と手を出したら、なぜか夕飯前に完了したお話。

アイロンはDBK製で2002年頃の購入(1枚目の画像左上)。いかにもアイロンといったクラシカルなデザインと、結構な重さと、スチームにムラがある不器用さが特徴。
以前に、電源コードの根元の断線で自前で修理している。割と簡単だった記憶があった。

まずは分解
ということで、朝飯前ではあるが、毎日使うものなので、なにはともあれ、まずは分解。
アイロンのお尻にあるコード根元のネジはトルクスねじで "T10" というサイズ(1枚目の画像右上)。ここで尻蓋を外す。尻蓋を外すと、コードを接続している端子が2本見えるので、そこのネジを外す。気をつけないとネジを中に落としてしまうので気をつけましょう。中に落とすと、さらに分解しないといけない(私は落とした)。
ネジを外して、電源コードを分離独立させたところで、電源コードの両端にテスター(マルチメーター)を当てて導通テストを行う。なんと、電源コードはちゃんと導通がある。
これは困った。
しかたがないので、朝飯を食べる。

さらに分解
お腹も満足したところで、意を決してさらなる分解に踏み切る。
奥様は出かける。
次は、取っ手下にはめ込まれている金属のラベルをマイナスドライバーなどを差し込んで外す。すると六角ネジで出てくるので、レンチなどを使って外す(1枚目左下の画像)。おっと、前方の水の注ぎ口をはずさないと取っ手(黒い部分)が取れない構造である(1枚目画像右下)。

原因不明なので戻すが、戻せない
この段階では、本体は3つのパートに別れる。取っ手(黒)、カバー(クロームメッキ)、本体と呼ぶべき水タンクと熱源(スチームパンク風!) (2枚目画像左上)。
分解してみたところで、お尻の端子から伸びているヒューズなども導通があり、回路的に難しいとところもなく、内部は問題ないことがわかった。
原因不明だが、これ以上の手立てもないので、元に戻してみる。
ここで、上部前方のスチームボタン、温度レバー、水の注ぎ口の構造が結構曲者というか、よく考えられているというかノウハウのカタマリで(2枚目の画像左下)、特に、水の注ぎ口のパッキン部分が上手く戻せない。自分の手をじっと見てこれ以上の作業をあきらめる。
手先の器用な奥様の帰りを待つ。

奥様が戻す
奥様が帰宅し、昼飯を済ませた後、奥様にお願いして引き渡す。
奥様は、試行錯誤で構造を合理的に検討しながら、あの上部前方の構造の理解に時間がかかったが、小一時間ほどで元に戻してくれた。私は隣で見てるだけ。いや、ありがたい。
上部前方の中身は、1部品2役以上を兼ねており、ノウハウのカタマリであった。

原因は電源コードのプラグ付近の時々断線
3つのパートを元に戻して、これで直らなかったら新品を購入するしかないね、と奥様にデモするため、電源コードだけを導通試験すると、おお、片方だけ導通しない。あれ、最初は導通してたのに。何度かやるとOKな場合とNGの場合があることがわかった。電源コードの不良確定、新品購入取り止め決定。
ということで、電源コードがどこかで切れかかっていて時々断線していたのが原因っぽい。
以前と同じように端子付近にコードが潰れてる部分があり、大方ここだろうという不具合箇所の見当がついたので、端子に近い方からその箇所を切り離す。そこで導通試験をすると、またNG、もう少し切り詰めても、またNG。電源コードをもう一度よく手にとって眺めてみると、プラグ(コンセントに刺す方)の根元が若干ひび割れていて、これは怪しい。ここの交換にはプラグを交換しないといけない。
そそくさとDIYセンターに車を走らせ、部品を調達して電源コードを作成する。お尻の端子にネジどめ用には丸型の圧着端子を付けた。
ついでに、気休めにしかならないかもしれないが、DIYセンターで見かけた乾電池端子用スプリングを断線防止として取り付ける(2枚目の画像右下)。

一挙に改善
元に戻ったところで、早速奥様による検収試験。
熱くなるのが早い、早い。
どうも、これまでもプラグ付近で電源コードの撚り線のうちの何本かは断線していて電気が流れにくい状態で使っていたらしい。
ブラボーである。
作業開始から10時間が経過していた(実作業時間は買い物含めて4時間、材料が揃ってからは20分)。

スチームパンク船
2枚目の画像左上と右上を見てわかるかどうかわからないが、本体はスチームパンクそのものであり、クロームメッキのカバーを逆さまにして本体の底につけるとまるで船みたいである。
将来、本当にこのアイロンが使えなくなった時はスチームパンク船のオブジェに転身させる気でいる。

2014/04/22

大角座の斜塔@首里赤田町 (2)

大角座の斜塔@首里赤田町でご紹介した建物だが、何と、1F部分を改造して、車庫にしていた。
むむー、これはやるな。

ちなみに、沖縄の言葉で大を「うふ」と呼ぶので、大角座は、「うふかくざ」または「うふかくじゃ」と呼ぶ。
画像を加工して、エッジを際立たせてみた。
両側の建物の垂直線、水平線を比較すると分かると思うのだが。

画像では左に傾いているが、実際には手前にも傾いているので3次元の傾斜がついている。


さて、借り手はつくのだろうか?

2014/04/11

「自分がここにいてもいい」

ツイートに狭山ひかり幼稚園の園長の言葉を載せた。
これは、ウチアタイ(核心的な心当たり)するな。
私が沖縄に戻ってきた根本的な理由のような気がする。
「自分がここにいてもいい」んだよ。
(語感がいいので「も」をつけた)

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画像は2号(♀9才)が作った折り紙のピアノ。
何かの本に載ってたものを参考に作ったらしいが、左手にある楽譜は彼女のアイディアで彼女のオリジナル。
iPhone5で撮影。
色調を変更してある。

2014/04/10

世知辛くて倒錯してしかも怖い

今回は、社畜たちの悪夢の話。

ウチの職場では、課長クラスには、しばらくやらせてみてダメだと思われたら、課長職を外されて、運が良ければ数年後に再チャレンジさせる、という道がある。
これは成長の機会を促すのでいいかなと思う。
ただし、ある一定以上の役(部長とか)に就くと降格そのものが無くなる。つまり、部長の降格はあった試しがない。
部長職に対して降格の代わりにどうするかというと、いわゆるラインから外してしまって(担当部長とか部部長とかにする)、一般職レベルが一人でやってたような仕事を担当させるのである。 名ばかり部長の出来上がりである。
これは、ある程度の給料が退職までの間は保証されるという、本人にとってはいい面もあるが、役職はそのままなので、表立っては部長!とおだてられながら、実際の仕事は一般職レベルに格下げされるという、現実をまともに見ることの出来る人なら、耐え難い非常に世知辛くも倒錯した人事なのである。
もっとも、この状況に至るまでには、本人に対する周りの評価は人事に先立ってかなりの低空飛行に入っているので(部長でこれかよ…、パワハラばっかり…とか)、この人事に対して憤慨する人や、ましてや同情する人は少ない。ウチの職場ってこの面だけはキツッ!ってところが大方の感想である。
それにしても、名ばかり部長がこのまま定年までの数年を過ごすということは、針のむしろというか、悶々とした日々というか、何かのために耐える大義名分がないとやってけないような気がする。どうするね?
これが海外なら役に立たない人は即クビでもおかしくないところだが、日本ではよっぽどのヘマをしでかさない限り中々クビにはできないし、ウチの職場も終身雇用制の灯火がまだ残っている。降格させたほうが支出も減らせるし、本人にも再度のチャンスを与える機会にもなるのだと思うのだが、これは私の手の届かないところで決められるので、なんともしようがない。

現実に立ち返って、私の知る限りそういう処遇にあった人がいままでに2名はいた。いずれも役職としての人格と能力を疑われての処遇だが、結局のところ、ある程度は自業自得で、彼らは、部長としての役割分担と、部下に対する権力を履き違えていたように思う。それが、周りの評価の低空飛行につながっているわけで、ウチの職場が仕事の成果の低さと低空飛行の評価を嗅ぎつけて、「正当な権力」を使ってこのような処遇を彼らに対して与えてしまう。
権力って使い方を間違えると他人の人生の一部を悪夢へと変えてしまう。怖い、怖い。

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画像は、階段で佇む猫。
彼女は我が家での処遇に満足しているだろうか?(というか、そもそも我が家のために何か貢献しているのだろうか?)
それにしても、襟巻きのような首周りのふくよかさは、貴婦人の富と怠惰を表しているのだろうか(前者は疑問、後者は正解)。
天井のトップライトから差し込む光がいい照明になっている。
2014年3月の撮影。

2014/04/07

ソーラーWEBモニタリングサービス(SHARP)で三角関係

ソーラーWEBモニタリングサービス
太陽光発電を導入してから1年半が経つ。
これまで実績データをPCに取り込むには電力モニタで目視確認した後、手打ちするしかなかった。
シャープのソーラーWEBモニタリングサービスを使えばその辺りは解決できそうだったが、ウチの電力モニタは有線LANオンリーで、LANケーブルを家中で引き回すのもイヤだったので申し込みは行わずにいた。
そうこうしている内に、実家で不要となった有線LAN〜無線LANコンバータの回収に成功し、インターネットに接続することができたので、ソーラーWEBモニタリングサービス申し込むことにした。 

ソーラーWEBモニタリングサービスの利点は次のとおり。
  • 数値データの取得ができる
  • データのバックアップが取れる
  • インターネット接続可であれば、どこからでも実績データを確認可能
  • 家庭内LANであれば、電力モニタへWEBアクセスが可能
  • 電気料金のきめ細かい設定が可能 (シャープが電力会社ごとに料金計算式を用意)
以下は無線LAN接続設定の備忘録。

無線LANの接続
ウチの電力モニタは JH-RWL2 といって有線LANしかインターフェースを有していない。
取扱説明書(PDF) 使い方ガイド(PDF)

有線LANのインターフェースは電力モニタの付近にはないので、無線LANを使うこととし、電力モニタの接続には有線LAN〜無線LANコンバータを使うことにした。
コンバータは新規購入を検討していたが、最近は無線LAN付きのPCが増えて、そういうコンバータの需要はあまりないのか製品の種類は少なめで、価格も高めであり、購入を逡巡しているところ、実家のPC更新の際に不要となっていた奴があったことを思い出した。
バッファローのWLI3-TX1-G54である。

実家からの回収に成功したので、まずは、PC側の設定を行う。
私が使っているのはMacなので、バッファローの↓のページを参照した。
MacintoshでIPアドレス設定していないLAN端子用 無線子機のWEB設定画面を表示する方法
つまり、以下の手順を踏む。
  1. WLI3-TX1-G54の工場出荷時のIPアドレスが "1.1.1.1" なので、PCから接続できるようPCのIPアドレスを "1.1.1.2" などに変更する
  2. ブラウザで "http://1.1.1.1/" にアクセスする
  3. 接続画面でユーザ名:root / パスワード: (なし) を入力する
  4. SSID欄に家庭内無線LANで使用しているSSIDを入力する
  5. 無線チャネルは無線ルータ側で指定しているものを選択する
  6. データ暗号化で "TKIP" を選択する
これでつながるはず…、が、ここで問題発生。
WLI3-TX1-G54のWIRELESSランプが点灯/点滅しているので、信号のやりとりを行っていて、電波レイヤーではつながっているように見える。しかし、電力モニタからシャープのサイトにアクセスできない。
困って、ググって、問題点を発見した。
AirMac Expressの暗号化の設定が、"WPA2パーソナル" だったものを、WPAも含むように "WPA/WPA2パーソナル" に変更することで上手く行った。
コンバータ側で暗号化方式を "TKIP" に設定してあるのだから、WPAでなくてはならないのだった。
WPAはTKIPを、WPA2はCCMPを、と異なる暗号化方式を採用していることに早く気づくべきだった。
この問題の解決には、こちらのサイトを参考にした。ありがとうございました。
イーサネットコンバータWLI3-TX1-G54でAirMac Extremeへ接続

ついでに、電力モニタJH-RWL2のLAN設定の詳細は
LANケーブルでの一般的な通信設定例(JH‑RWL2A)(PDF)
にある。


手続き
電力モニタのインターネット接続が確認できた後に、太陽光発電の際に電力モニタを特定する「モニタリングID」(MACアドレスとセット)を添えて販売店を通じてシャープへ申し込む。
しばらくすると、シャープから登録完了のメッセージが電力モニタに届き、ユーザIDとパスワードが郵送されてくる。
太陽光発電導入から15年間はサービスが受けられる。無料だが申し込みから15年ではないことに注意。

ソーラーWEBモニタリングサービスへ接続
実は、サービスを利用してみて初めてわかったのだが、電力モニタのリアルタイムの情報をPCにブラウザ経由で表示できる。
いわば、PCと電力モニタとソーラーWEBモニタリングサービスの三角関係(1枚目の画像)。

2枚目の画像が、現在の配置。
電力モニタとコンバータの間はきしめん状のLANケーブルで接続しているが、そのうち壁の中に隠すつもりである。

で、3枚目の画像が、ソーラーWEBモニタリングサービスの画面。
6時間毎に電力モニタのデータがソーラーWEBモニタリングサービスへ送られる。

ま、ローカル側から向こう側へデータを置くことになったわけで便利さが広がったかな。


(2014/4/12追記)
最後から2段落目「6時間毎に…」の一文を追加。
併せて、1枚目の画像の「電力モニタ」と「ソーラーWEBモニタリングサービス」の関係を表す矢印の向きを逆にし、説明文も訂正した(データの取得 → データの送信)。

2014/04/02

RFC 1149

昨日のポストは、エイプリルフールだからといって、自分でも一体全体何を伝えたいのか皆目分からないものだった。
ところで、ジョーク系のRFCといえば、傑作 RFC 1149「鳥類キャリアによるIPデータグラム伝送に関する規格」というものがある。鳥類と言っても、たぶん伝書鳩以外では成り立たないと思われるが、鳥類の進化に期待すべく制限を設けていないと推測する。
Stray Penguinさんの訳が秀逸なのでリンクを貼り付けておく。

RFC 1149 "A Standard for the Transmission of IP Datagrams on Avian Carriers"

これは1990年4月1日発行。
で、実際に実験をした人たち

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エイプリルフールというのなら、自分自身で「類キャリアによるIPデータグラム伝送に関する規格」くらいは書かなきゃいけませんね。
しかし、生態を観察できるほどよく知っている猫はウチの猫以外になく、そのウチの猫には「寝る」「食べる」「甘える」以外には特技がないのだからインフラとしての利用は考えもつかない。
でもでも、よく考えてみると今の意見は偏見で、彼女の特技はそれ以外にも「足音を立てずに近づく、または、いなくなる」「目線はそれているが耳はターゲットへ向けている」「指を差し出すと鼻を近づけて臭いをか ぐ」といった猫ならではの特技もあることに気づく。
そうそう「お客様の靴の匂いを丹念にチェックする」「餌皿の底が少しでも見えたら餌が無いとわめく」「屋上へ上ってみたものの降りられず助けを求めて泣き叫ぶ」などもあったな。

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画像は、屋上から泣き叫ぶ猫。「鳴く」ではなく「泣き叫ぶ」ところが一味違う。青空が眩しい。
2013年6月、私の素敵な奥様が撮影。撮影後に捕獲(または救助)に成功。

2014/04/01

RFC 1925

RFC 1925「ネットワークに関する 12 の真実」(The Twelve Networking Truths) の日本語訳の要旨と本文を少々引用しよう。
  要旨

  このメモはインターネットコミュニティのために、ネットワークの根源的な真実を文書化したものである。このメモは標準を規定するものではないが、全ての標準はこの根源的な真実に必然的に従う、という点は除外する。
  (略)

  (6) 問題を回避する(例えばその問題をネットワーク構造とは完全に別の場所に移動させる)ことは、問題を解決するよりも簡単である。

     (6a) (発展形) 不正レベルをさらに増加することは常に可能である。

  (7) 必ず何かがある。

     (7a) (発展形) 早い、安い、うまい: どれか二つ選んでください(三つ全てを選ぶことはできません)。

  (8) それは思っているより複雑だ。

  (9) 全ての資源は、それが何であれ、もっと必要になる。

     (9a) (発展形) 全てのネットワークの問題を解決するには、必ず必要と思われる以上の時間がかかる。
  (略)
インターネット勃興時代の牧歌的な雰囲気が感じられて、RFCという紙の上のお遊びという感じもするが、よくよく読んでいけば、普遍性を内包する神のような存在でもある。

ちなみに、1996年4月1日の発行である。エイプリルフールである。

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画像は猫。2011年1月の撮影。
まだ細い。

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