2017/05/23

「ダメ女たちの人生を変えた奇跡の料理教室」キャスリーン・フリン (著), 村 井理子 (翻訳)

タイトルは挑発的ですが、料理ができない「ダメ女たち」に焦点を絞ったわけではなく、「料理ができない人」を男女問わず募ったら、女性だけが応募してきたというものです。いや、一人だけ男性がいたが直前にキャンセルしてきたのでした。この男性が参加していたら、もっと「料理ができない人」の考え方や振る舞いの描写に深みと広がりが出たかもしれません。

料理ができないと言っても、料理をいくらやっても上手にならない、というわけではなく、料理ってどうやったらいいのかわからないといった人たちが参加してきます。彼女たちに立ちはだかる料理の壁は「包丁」と「火」です。
「包丁」と「火」の扱いについてちょいと手ほどきを与えたら、教室への参加を重ねるうちにあれよあれよと料理上手になっていきます。
ひとりひとりの変化の具合が個性豊かに上手く描写されていてその中の誰かに自分を見つけ出すかもしれません。
女性たちと料理との関わりが縦糸とすると豊かな食生活とは何か? が横糸となって物語が進んでいきます。

教室が終わった後の追跡もしっかり行っていてほとんどの人は得意料理を見つけ、料理人生を謳歌していますが、ただ一人だけどうしても料理に興味を持てなかった人が一人います。否定的な要素ではなく、却ってこの本にリアリティを与えています。人類皆が料理好きではあるまいし。

私もこの本のおかげで、野菜を炒めるためにフライパンに投入するときは、野菜がフライパンにくっついて焦げないようフライパンを振って野菜を油でコーティングするということを学んで、試行錯誤しながら実践しています。

男女にかかわらず料理好きが増えたらいいですね。

# 出版(2017年2月)と同時に買い求め、あっという間に読んで今頃になって記憶だけで書いてみました。

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